カンパニー マリー・シュイナール

3/19@シアターコクーン
メディアでこぞって予告されていたので、最初行くつもりなかったがチケ買ってしまった公演。ケベック振付家率いる大物カンパニー。
第一部「ショパンにより二十四の前奏曲」は、たしかに変だったけど、それだけって感じであまり興味わかなかった。古い感じがした、いわゆるヨーロッパ的というか。ちょっと寝てしまった。
しかし!第二部「コラール〜讃歌〜」がもうすごかった!!本当に変態振付家だと思った。必見ですよこれは、明日までやってますよー!今まで見たこと無いレベルの変態度。やばい、ってこういうものに使うんだよ。しかも女だもんな。
簡単に説明すると、体のあらゆる部位から音を出す(メインはおなかからの呼吸的な重低音…横隔膜を使って出す声)んだけど、それが非常に効果的に構成されていて、それでいてエロティック。コピーどおり、動物的で、野蛮で、祝祭的。それが電子音やいわゆるダンスミュージック的なビート?の強いものとかぶさると、それはそれはたまらない快感。
現代詩手帖の、笠井さんのトークを思い出した。声を出す身体の在りよう…でもここでの身体は、声を出す身体のあり方をそのまま用いるんじゃなく、意図した音を出すための身体の操作によって形成される身体―あくまでそれは身体の源を探求する過程においての発見からくるものなのだが―とその空間の変容をモチーフにしていた。つまりあくまで振付として声を出していたと思う。
短いシーンをつなげて構成されてるんだけど、ひとつひとつがインパクトがあって圧倒される。体の使い方やフォーメーションの変化も面白い。一見かなり狂ってるんだけど、すべてが彼女の身体哲学をすごく表していて、本当に素晴らしいなと思った。
アフタートークで「背骨は人間の知性」といっていたけど、まさに、ですな。あとインタビュアーが評論家なり専門家じゃないゆえの不手際というかかみ合わなさは見てていたいたしかった。こういうときのための専門家じゃないのか。