トヨタコレオグラフィアワード

それぞれ思ったことをかいておきます。素直にかきます。

  • 1日目

・岩淵多喜子「Against Newton」
正直、古いと思った。私が、現在の「コンテンポラリーダンス」に求めるある種の不可解さであるとか、無意味さとかが無くきれいにまとまりすぎだったからだと思う。
反重力を動きで、しかも技術という素材を用いて表すとつまるところ器械体操になるはずだ。テクニック抜きの「反重力ダンス」が見たかった。


・黒沢美香「馬をきき」
いろんな意味でさすがとしか言いようが無い(笑)ソロダンス見るの2回目だけど、彼女の面白さをつかんでこれたきがする。
彼女の作品は彫刻を創る作業に似ているのではないか。舞台の時間の中で“なにか”をかたちづくる、もしくは探り当てるためのプロセス。マッピング
ひとつひとつのモチーフが繊細でいて大胆でかつ緻密で壮大。


・鈴木ユキオ[金魚]「…やグカやグカ呼嗚…」 *オーディエンス賞受賞
彼の作品は2回目だが、いわゆる金魚の作風らしい作品をみたのは初めて。(前は横浜での金魚×30てのをみたの)雰囲気が若者(笑)受けしそうな感じ。
裏情報および個人的雑念のせいで公平な評価はしかねるが、なかなかよろしかった。男性二人のじゃれてんのか喧嘩してんのかなんなの?的な掛け合いなどが特に。
なんていうか一筋縄じゃいかない人間および男女のありかたとか関係とか世界とか、そういうものを表せてたと思います。それこそが本質なんだろうしね。
もっともっといけると思う。次代を担う振付家だね。


・隅地茉歩 「それをすると」 *次代を担う振付家賞受賞
誤解を招くことを恐れずにいうなら、極小のハコでこういうのよくやってるなぁみたいな感じの作品。別にそれでかまわないけど、私にはぐっとこないものだった。
なんでかなーと考えてたんだけど、どうも私はコンテンポラリーダンスでの「動きそのもの」に関してはあまりフェティシズムを持ちあわせてないらしいという結論にたどり着いた。なんだかんだバレエっ子なので。もしくは舞踏のカラダ。
どっちかというと、「動きによってつくられる空間の変容」に興味がいくらしい。つまりどういう体の動きのかじゃなくて、動きの無意味性が生む視覚的・時間的・空間的効果/影響を受容し感情として受け止めてるんだと思う。
だからこういう類のよくわからんけどえんえん続くっていうタイプのは集中力を維持できないんです。


  • 2日目

・新鋪美香[ほうほう堂] 「るる ざざ」 *オーディエンス賞受賞
よかった。個人的には8作品のうち一番きた。
ほうほう堂、はじめて見たけど、あぁダンスって素敵だなぁやっぱり、って思わせてくれるものだった。
なんていうか、振り付けが「上手い」。無駄が無いんだよね、振り付けという造形と流動に。無意味な動きのデザインが、新しい時間と空間を生む。それが美しい、快いと感じたとき、はじめてその振り付けが自らの身に迫って感じられるのではないかと思う。その環境に自らを没入する(させる)ということ。
この作品には、“風景”と“時間”を感じた。それはこの世界の一片を舞台で表せているということではないかと思います。ダンスの可能性とその魅力はこういうところに埋まっている。
一面の花畑のなかで、花が好き好きにきままに自由に、だけど必然的に揺れているさま。そんなダンスだったなぁ。


・岡田智代「ルビィ」
なんつうか、熟女だった(爆)いや変な意味じゃなくて。なんか大人の女性の余裕っていうか憂いっていうか…。音楽でいえばジャズ。シンプルだけど熱い、みたいな。。
アワードなので、賞を獲ることを狙っていったほうが(=単純に派手なほうが目立つ)賢いよなぁ…などと汚いことを考えてしまった。もちろん、シンプルも常人のレベルじゃないところまでいけば別なんだけどね。


岡田利規[チェルフィッチュ] 「クーラー」
3月にSTでみた演劇作品より面白かったです。普通によく笑いました。コレオグラフという単語をあてはめるのは保留したいけど。
最後がすごくよかった。しゃべってる台詞(冒頭から最後まで主旨はほとんど変わらず、話も進行しない)が録音されてて、最後は身体(ダンス)と言葉(録音された台詞)が乖離する。おぉ〜やるな!って感じだった。
演劇作品とダンス作品の中道をいくなにかをつくってくれないかな。1時間弱で。


・宇都宮忍・戒田美由紀・合田緑・高橋砂織・得居幸・三好絵美[yummydance]「kNewman」
はじめてみた。女の子6人、結構一人ひとりのキャラ強め。基本的にはごちゃごちゃな作品だけど、最後のほうのユニゾンからラストまではある種の統一感あり=作品の流れができてるってことですかね。
なかなか興味深くみました。よく咀嚼できてないんだけど、気になる感じ。またみたい。


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あーいっぱいかいた。
かなり自由奔放にかいてるので、あとでおじけづいて削除するかもしれません笑
まぁいいでしょ、これが素直な感想です。
発表後の審査員のコメントきいてても、なんか大変そうだったし。なんとなくわかるもん。このメンツじゃ判断基準も定まんないしね。
とりあえず、いろいろみれて楽しかったし、アワード、評価って本当難しいなということがわかりましたです。来年もいけたらいこうっと。