舞台芸術のクリティック

授業発表のネタメモ。
世田谷パブリックシアターで開始。

舞台を読む/批評を書く(全10回)


 〈舞台芸術のクリティック〉は、演劇やダンスなどの批評を実践していく講座です。ここで言う「批評」とは、単に作品の良し悪しを裁定したり、芸術を材料に使って思想や主張を展開するようなものでは必ずしもありません。他者の表現に接して、自分なりに感じたこと、考えたことを、また別のかたちで、別の他者へ向けて発信していく。その営みをひとまず「批評」と呼ぶことにします。もちろん、現代芸術においては創作と批評は表裏一体のものです。創造的な視点で舞台芸術を捉えなおすために、受講者の積極的な発言や議論を期待します。
 今回の講座は、舞台作品を論理的、分析的に読み解くための視点や方法の習得に重点を置きながら、その応用として単なる印象や感想にとどまらない「批評」を書くことを目標に進めていきます。まずはビデオなどを活用して、具体的に「舞台を読む」とはどういうことかを多角的に検証し、同時に今日の舞台芸術に関わる主要なテーマについて考察します。その上で、世田谷パブリックシアターの公演を中心に開講期間中に上演される舞台作品を題材にして、各自が4000〜8000字程度の作品評や評論文を書き上げることを目指します。優秀な批評作品は雑誌『SPT』(世田谷パブリックシアター刊)や『舞台芸術』(京都造形芸術大学舞台芸術研究センター刊)に掲載の可能性もあります。
 舞台芸術に対する視野を拡げることで、観劇体験をより豊かなものにしたいと思っている方、演劇批評やダンス批評を書いていきたいと思っている方、現在の舞台芸術に対する意見交換の場を持ちたい方など、幅広い受講者の参加を歓迎します。

〈日程と進行予定〉 10/25〜3/14 週一回、全10回

オリエンテーション舞台芸術と批評の現在(八角+森山)
舞台を読む1−上演=表象と演出の論理(森山)
舞台を読む2−身体と空間(八角
舞台を読む3−言語と物語(八角
舞台を読む4−歴史と社会(森山)
舞台を読む5−メディアとパフォーマンス(八角
批評を書く1−主題の展開と公共性(森山)
批評を書く2−理論とフィクション(八角
講評とディスカッション1(八角+森山) 〔または2/28(火)〕
講評とディスカッション2(八角+森山)

八角聡仁(やすみ・あきひと)
1963年生まれ。批評家。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科教授、舞台芸術研 究センター主任研究員。演劇、ダンス、写真、映画、文学等に関する論考多数。 編著に『現代写真のリアリティ』(角川書店)他。

●森山直人(もりやま・なおと)
1968年生まれ。演劇評論家京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科助教授、舞台 芸術研究センター主任研究員。主な論考に「過渡期としての舞台空間−小劇場演 劇における昭和30年代」(『舞台芸術』連載)など。


開講時間: 19:00〜20:45
受講料金: 15,000円
会場: 世田谷文化生活情報センター セミナールーム
募集定員: 30名 
※応募が定員を超えた場合は抽選となります。
※受講の可否のお知らせは、締め切り後、申込者全員に通知します。
応募締切: 10月14日(金)